












茶色いクラストを使用していた頃の革を再現
ブラック「クローム」は革の芯まで黒色に染まった芯通し革ではなく、芯の色が茶色い頃がありました。これは茶色い革と黒い革を造るのに同じ茶色いクラストを使用していたためで、異なる色の革に同じ色のクラストを使用することで生産効率を高め、在庫リスクを抑えるためのものでした。この芯が茶色い革は、表面の黒い塗装膜が剥がれると茶色い下地が出てくるため、ブーツを長年履き込むことで黒かったブーツが徐々に茶色みを帯びてくる性質をも持っていました。今回、新たに開発されたブラック「クローンダイク」は、上記の茶色いクラストを使用していた頃の革を再現したものになります。しかし、環境保護基準の改訂により当時の革をそのまま再現することは非常に困難なもので、度重なるサンプルを経て水性塗料でも強力な塗膜を作れるよう、オイルの含有量を極力減らす事で、ようやく当時の雰囲気を再現することに成功しました。オイルの含有量が少ないため、履き始めの頃は硬く感じますが履き込んでいくことで徐々に柔らかくなります。そして表面が擦れて色落ちし、下地の茶色い革がうっすらと見えてくることで新品のブーツでは味わえない自分だけの特別なブーツに育っていくことでしょう。
RED WING / レッドウィング
レッドウィング社の創設者チャールズ・ベックマンは、19世紀後半に新天地への夢を胸に、ドイツからアメリカへ移住した。17歳だったベックマンはアメリカ内陸部ミネソタ州のレッドウィング・シティーで列車を降り、その地の革工場に職を見つけた。そこで働くうちに、ベックマンは自然と革製品である靴に興味を持つことになる。そして、1883年、ついに靴屋を始めるに至る。「本当に良い靴を売りたい」という彼の気持ちは、町の人々の評判になり、その真摯さは来店した客の足にぴったりと合わない時は、頑なに販売を拒むほどであった。並々ならぬ靴への情熱で、靴屋は成功したにもかかわらず、ベックマンの不満は高まっていた。本当に良い靴が少ない、という不満だ。彼は次第に、店にあるどの靴よりも良い靴を自分で作るしかないと考えるようになった。1905年、ついに彼は14人の仲間と「レッドウィング・シューカンパニー」を設立した。これが今日に至るレッドウィング社の歴史の始まりである。